障がい者グループホームを運営するにあたっての考え方
自己紹介も兼ねて代表者である私の経歴から言いますと
- 大学卒業後、金融関連企業の法人営業
- 里帰り出産を機に、実家の家業・小売店を手伝い(主人単身赴任をしてもらいつつ)
- その後実家の家業を正式に引き継ぐ
ということで、その間は全く福祉事業には携わっていなかったんですね。
だから、私の経歴を知っている人や今回の事業を始める時に
「なんで業態の違う仕事をするの?」って聞かれています。(毎度毎度です)
お客さんの声から現実を知る
実家の小売店を通して、さまざまなお客様がお越しになります。特に
- 知的障害を抱えている娘さんを抱えているお母さん
- 50代長男の障がい者と同居しているお母さん
がお話しされている様子を拝見していると、
とても苦悩に満ちていました。
- 今は私(お母さん)は元気だけど、今後私の老後が来た場合の娘は一人で暮らしていけるだろうか?
- 80代を迎えるお母さんが案じるのは、息子の行く末と自身の体調管理のこと。現にこちらのお母さんは認知症の症状も少しずつ見受けられるようになっている。
- その結果、次男さんも介護離職をしてお母さんと長男さんの面倒を見ている。
- 介護離職した健常な次男さんの経済状態も気になる。
- お母さんが亡くなった後の、お子さんの行く末が不安。
など、常に悩みと不安、苦悩を抱えていらっしゃって、
その様子を耳にしていたんですね。
誰しも、不安なく毎日平凡でも穏やかに暮らしていきたいと思うのに、
それがままならない という現実だと思います。
ましてや、自分のお腹を痛めて生まれてきた子供ですから、
母親であればなおさらそういった気持ちは強いです。
(もちろん父親もそんな気持ちになるかと思いますが)
誰しも自分が望む人生を送る権利があるはず
どんな人であろうと、自分が居心地がいい時間や空間ってありますよね。
それは、自分が自分らしく生きていくための活力になり得るものです。
(いわゆる趣味嗜好)
自分に嘘偽りなく、自分に正直に生きていくことこそ、
本当の自分になれるのではないでしょうか。
そして、そう言った自分らしく生きていくためには、
さまざまな嗜好や考え方があります。
それって正解不正解がなくて、「いかに自分にとって心地いいものか?」
っていうのがポイントになるのではないでしょうか。
自分らしく生きていくためにはあなたにとって、
どういった時間や瞬間・空間が居心地がいいと思うでしょうか。
それは十人十色ですし、その思考や好みってどれもその人にとっていいものであれば、
それが正解かと思います。
他人がとやかく判別するものではないと思うんです。
これって全てのわたしたちが生きている・
そして私たちと共に暮らしている生き物についても、
同様に言えることではないでしょうか。
つまり、
- 自分らしく生きていくために、人それぞれの趣味嗜好は違って当たり前
- 趣味嗜好が違って当たり前という気持ちを尊重する
そう言った社会であってほしいと、私個人としては願っています。
必要なものは自分の本拠地である【わたしの居場所】の確立
誰しもが自分に正直に、自分らしく生きていく。
そうあるべき姿に必要なこととは、
まず自分の本拠地=わたしの居場所を確立する必要があると思うんです。
なぜならば自宅や家にいる「家族」って、社会の最小単位になります。
いわゆる社会の縮図が家族であり、その拠点となるのが自宅・家です。
自分自身の本拠地となるわけですから
その本拠地である【わたしの居場所】がきちんと確立されることによって、
自分自身の生き方や「自分らしく活き活きとした人生」へと進むことができる、
と確信しています。
ここでの「わたしの居場所」としては、障がい者グループホームという拠点になります。
グループホームという拠点はいわゆるモノでいうところの「住む場所・家」になりますが、
私が考えているのは、そう言ったハード面の家にとどまっていません。
もちろんハード面である「家」は必須であり、
各々の拠点でありますから必要不可欠ではありますが、
最も重要なのが家に一緒にいる「家族」になります。
障がい者グループホームでいう家族というのは、
- グループホームに入居している他の入居者さん
- グループホームで入居者さんのサポートをしているスタッフ
こそが障がい者グループホームでの「家族」というふうに捉えております。
社会の縮図とも言える自宅(障がい者グループホーム)で、
家族(他の入居者さん・スタッフ)と共に日々を過ごして、
自分らしく生きていくための練習の場
というふうに捉えております。
障がい者グループホームを活用する効果
冒頭にお伝えしました私の既存事業でお客さんの悩みについては、
現状のご家庭からの受け皿として、障がい者グループホームという形を活用すれば
- 障がいを持つお子さん側:一人で生計を立てるための準備を整える場所
- 障がいを持つ親御さん側:親なき後のお子さんの独り立ちを促せる場所
ということで、お子さん・親御さん双方にとっても本当の意味での
「自分の足で立っていく、そして自分らしく生きていく」
という本来の姿に移行することができると思います。
結果として障がい者グループホームに入居することによって、
- お子さん側:親からも独立できて、一人で生きていける自信につながる。
- 親御さん側:お子さんの独立によっての安心と、ご自身の残りの人生も謳歌できる。
ということで、親子双方にとってメリットが得られる場所でもあります。
そう言った自分の拠点となる土台がしっかりと築ければ、
生活も心の持ちようも安定してくるはずです。
まずはそう言った場所と人との関わりの練習を
この障がい者グループホーム【わたしの居場所】を通して
活用してみてはいかがでしょうか。
補完して生きる。そして「お互い様」の気持ち
私自身は実はあまり人に頼るのを良しとしないタイプの人間でした。
「人に迷惑かけるしな・・・」という思考になってしまうからです。
でもこの考え方はちょっと横に置くようになりました。
というのも、私も含めて全ての方とあえて言いますが・・・
完璧な人って、世の中いないじゃないですか。例えば、
- 私はAは得意だけど、Bは不得意。でも、
- あなたはBは得意だけど、Aは不得意。
こんなことってよくある話ですよね。
となると見方を変えて、得意なことは得意な人に助けて貰えばいいという発想です。
つまり、人それぞれ支えあって補完し合って生きていけばいいんですよね。
だから自分の足りないところばかりに、目を向ける必要はないと思います。
「人」という字自体が、自分ひとりでは成り立たない形が表しています。
【お互い様】 という気持ちでいいんじゃないでしょうか。
それぞれが快適に毎日を過ごせるように、足りない部分があればお互いで補完し合って、
世の中が形成されたらもっといい社会ができるのではないかと
個人的には考えております。
そう言った社会を実現できたら素敵だと感じています。
弊社が運営する障がい者グループホームはそのような考えで、
ここに関わる方全ての方が
-
- 成長できる場
- 自分らしく生きて幸せになるための基礎固めができる場
と考えております。